Book review 2007
小説に込められた言葉のひとつひとつを忘れないための、記録。
東京飄然 / 町田康
東京飄然 東京飄然
町田 康 (2005/10)
中央公論新社
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婦人公論で連載が始まったときから、この旅エッセイというのか、旅物語というか、とにかく読まずにはいられないほどのおもしろさであった。町田ワールド全開といった感じ。この人の文章というか、言い回しは同年代とは思えないほど文学的であって、読むたびにこれはあのパンクを叫んでいた町田なのか?と毎回毎回驚く。新鮮というか。エッセイとしても、本当にどこまで事実なのかよくわからないし、そういうところにも小説家としての気概を感じる。飄々を装っているけれど、かなり計算しているところもこの作家の持ち味。くしカツについての考察は爆笑だ。
写真もいい。









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ダーク・サーティ / テリー・ケイ
ダーク・サーティ ダーク・サーティ
テリー ケイ (2003/10)
扶桑社

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テリー・ケイの話の舞台はいつもアメリカは南部の話であるが、この話の舞台もジョージア州である。私は南部に足を踏み入れたことがないし、この先その予定もないので、南部の話を読むのが好きだ。アメリカという国は本当に地域によって差異があって、それは今私たち日本人が格差社会で云々という議論をしているのが、ばからしくなるほどである。あの国をひとつの言葉でくくったりするのは絶対に間違っていると思う。そういう意味では私はアメリカを知らない。だから南部の話を読む。
しかしテリー・ケイの描く南部の話には、いつもなにかどろんとした暗く重たい空気が漂っていて、それはミステリーの分野にカテゴライズされる作品が多いせいもあるんだろうけど、読み終えたあと少し怖くなる。この作品もなにやらしっくりとしない。それはこの著者の腕がいいってことなのかもしれないな、たぶん。きっと。

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プライス一家は、いつも一日遅れ / テリー・マクミラン
プライス一家は、いつも一日遅れ〈上〉 (扶桑社セレクト) プライス一家は、いつも一日遅れ〈上〉 (扶桑社セレクト)
テリー マクミラン (2004/08)
扶桑社

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テリー・マクミランの持ち味である、軽快なタッチで描くブラック・ファミリー一代記である。ブラックのママを知らないひとには素通りしてしまうセリフでも、一度かかわったことのあるひとなら、「あー言う言う、こういうこと」という場面が何箇所もあって、そういう意味では私は楽しく読めた。下世話でタフな女は大好きだ。

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青い目のサラリーマン、ザイバツを行く / ムルター・ニアル
青い目のサラリーマン、ザイバツを行く 青い目のサラリーマン、ザイバツを行く
ムルター・ニアル (2006/05/25)
ランダムハウス講談社

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外国人が非常にドメスティックな雰囲気の旧財閥系企業に正社員として雇用され、14年間そこで働いた記録のような本である。
かつてアメリカ人のオットがいた私には、なんだか同じ国の話ではないようなくらいの高待遇で、周囲にもこんな外国人社員がいないせいかどうも釈然としない(笑)いや、頭ではわかっているんだけれども。
しかし、惜しむらくはこの著者は、今はすでに日本には住んでいないということだ。出来ればこういう話は故郷に帰って一儲けするのではなく、在日中に本にまとめてもらいたかったなあ。財閥系の話はオープンにできなかったのか?気になるところである。

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セックスボランティア / 河合 香織
セックスボランティア セックスボランティア
河合 香織 (2004/07/01)
新潮社

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障害者も恋愛をするし、性欲だってある・・・彼ら彼女らの「性の介助」とは?・・・という側面から切り込んだノンフィクションである。全般的にやや偏っているかなという内容だけれども、私たち健常者が普段意識しないテーマであり、そんな我々にくさびを打ち込んできた、という点では非常に意欲的な作品だと思った。私の感想は、実際のところ現状はもっと複雑で、肯定も否定もできないなあと思った。

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絲的メイソウ / 絲山 秋子
絲的メイソウ 絲的メイソウ
絲山 秋子 (2006/07/22)
講談社
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イト山先生のエッセイ集。いやよく飲んでいるなあというのが印象。自分と同じぢゃねえか、とも(笑)よく飲み、よく考え、というのがこのひとの生き方なんだな。

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ニート / 絲山 秋子
ニート ニート
絲山 秋子 (2005/10/29)
角川書店
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ニートやヒッキー、というともうすでに手垢にまみれた用語のように思ってしまうけれど、実際にそれで苦しんでいるひとたちがいるなら、この小説を読めばいいと思う。もちろんその答えなんか書いてはいないけれど。
イト山は本当にこのダメ男の系譜を書かせたら、日本一うまいと思う。それから、イト山作品ってところどころ雑な会話が混ざるのだが、あれはあえてやっているのか本人に聞いてみたい。





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袋小路の男 / 絲山 秋子
袋小路の男 袋小路の男
絲山 秋子 (2004/10/28)
講談社

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この作品もいわゆる純愛物語の小説、のようだが、それはイト山版純愛物語であって、愛したあのひとが病で死ぬ、とかそういったベタな話しでは決してない。いや、そういったベタな話だって、イト山や吉田修一が書けば、もっと精度の高い作品になると思うけどさ。
12年間セックス関係のない男女の話って、そんなに珍しいのかね、と思う。私はこの作品の男女の微妙なすれ違いとか痛いほどよくわかって、非常に感情移入して読み込んだ。よかったなー。私には、一般レビューってまったく関係ないんだわー(笑)
川端文学賞受賞。

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バス・ジャック / 三崎 亜記
バスジャック バスジャック
三崎 亜記 (2005/11/26)
集英社

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一冊だけではその作家の真価はわからないので、続く第2弾、短編集も読んでみた。ううむ。私にはあまり縁がない作家かもしれない・・・・。

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となり町戦争 / 三崎 亜記
となり町戦争 となり町戦争
三崎 亜記 (2004/12)
集英社

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すばる文学新人賞を受賞したときは、確か選考委員満場一致という話しがあった記憶があったので、戦争が始まったといってもまったく実態のない、近未来型戦争の話というのは一体どんなもんなんだろうと思ってわくわくしながら読んだ。結果は、まあ新人にしては確かに小説のプロットもよくできて練られているなあと思ったけれど、なんだろう、この読後のむなしさは・・・。

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